ディズニー非公式Wiki「タマトア」全文和訳

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ディズニー非公式Wiki「Tamatoa」のページを全文和訳&出典インタビュー記事を一部和訳しました。日本語版のタマトアの記事が数行しかないのに比べて英語版記事のほうはなかなかに長文であることに気づき「何をそんなにいっぱい書いてあるんじゃ、ワシにも読ましてくれや!!」となりました

 

Tamatoa | Disney Wiki | Fandom

 

<前置き>

・圧倒的素人翻訳です。間違っている箇所などありましたらご指摘ください。

・脚注、出典情報リンクは省略しています。↑の元記事からご確認ください。

・関連メディア情報として所々リンクを貼ってありますが、いずれも非アフィ(メモ代わり)です。

・訳するにあたり、調べた情報、出典情報、参考資料、個人的コメントなどを随所に差し挟んでいます(またの名をタマトア情報に飢えて這いずりまわって搔き集めた自分用リンクやメモ)。こちらもよろしければご参考までにどうぞ。

Wiki原文は2021年11月20日時点(最終編集:2021年10月18日)のものからとりました。

 

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タマトア

 

“昔タマトアは茶色くて 冴えないカニだった

今はゴージャスになれて 幸せだぜベイビー” ――『Shiny』を歌うタマトア

 

タマトアは、ディズニーの長編アニメーション映画『モアナと伝説の海』(2016年公開)のサブキャラクター。光り輝くものや価値のあるものすべてを欲しがる、巨大なカニヴィランズである。美しさと優越感を醸し出そうと、集めた宝物を金色の甲羅の上に飾っている。

 

基本情報

長編作品
『モアナと伝説の海』
シュガー・ラッシュ:オンライン』(カメオ出演
短編映画
『ちびちびタイニーテイルス』
ゲーム
『モアナ リズムラン』
『ディズニー クロッシーロード』
『ディズニー マジックキングダムズ』(カメオ出演
『ディズニー・エモジ・ブリッツ』
ディズニー ツムツム
パーク内アトラクション
『モアナ ア・ホームカミング・セレブレーション』
『ワンダフル・ワールド・オブ・アニメーション』
アニメーター
ジェン・ヘイガー
アンドリュー・チェスワース
トレント・コリー
ナラ・ユン
ジェフ・ウィリアムズ
ヤコブ・フレイ
デザイナー
ビル・シュワブ(※訳注1)
声優
ジェマイン・クレメント
インスピレーション
デヴィッド・ボウイ

 

※訳注1※ ディズニーアニメでは基本、各キャラクターを個別のキャラデザイナーがデザインしているのですが、タマトアのキャラデザを担当した方は、ほかにも『アナ雪』のハンス王子やオラフ、『プリンセスと魔法のキス』のレイモンド(蛍)やルイ(ワニ)などのキャラデザを手掛けているようです。なるほど…

 

キャラクター情報
その他の呼ばれ方
ギョロ目で悪食なアイツ(Beady-eyed bottom feeder(※訳注2)
カニ玉、カニコロッケ(crab cake)(※訳注3)
職業
コレクター
所属
ディズニーヴィラン

貝殻の隠れ家@ラロタイ
好きなもの
光るもの、自分自身、歌うこと、集めること、魚や人間を食べること、権力、ミュージカルナンバー、グラムロック、マウイのタトゥー
嫌いなもの
自分の社会的地位、内面的な美しさの概念、騙されること、人間、獲物を失うこと
パワーと能力
怪力(※訳注4)
生物発光
カモフラージュ
結末
立ち往生
その他の親族
祖母(名前なし)

 

※訳注2※ 直訳では「ビーズのような目をした海底の掃除屋/大食い屋」でしょうか。ちなみにDinsey+の字幕だと「下品な深海生物」、吹替だと「海の底を這いずり回っているアイツ」と訳されており、「ギョロ目で悪食なアイツ」はオープンソースの字幕(?)が出典と思わるのですが定かでなく…。ただ意味合いは一番原文に近いと思うので、ひとまずこちらを採用しました。

※訳注3※ タマトアの背中にのったマウイが呼びかける一言ですね。crab cake=カニの身でつくるハンバーグのようなアメリカ料理(各国語翻訳ではその国でのポピュラーなカニ料理の名前があてがわれている模様)。ちなみに、スラングとしても何か意味があるんじゃないか…? と思って調べたところ、「友達でもないのに友達ヅラしているやつ」という意味があるらしくて私は死にました。いや、これが第三者がタマトアを指して「あいつマウイの友達ヅラしてるよな」って言ってるなら、そのまんまの意味なんだろうなってとりますけど、でもマウイ自身がこう呼んでるということに何かこう意味深なものを感じるというか…。だってそもそも全く仲良くもない相手に「友達ヅラしたやつ」って呼びかけたりしなくない?? 逆になんかあったとしか思えなくない? というかぶっちゃけ「一度は友達だったけどワケあって友達じゃなくなった奴に対するワザとらしい呼びかけ」感すごない??? え?? つまり匂わせ…ってコト…!????死 参考: https://qr.ae/pGltIW

※訳注4※ 原文ではSuper strength。ちなみに「怪力」は「Superhuman strength」とのことですが、タマトアはカニなのでこの熟語から敢えてHumanを抜いているのかも?

 


概要

タマトアは巨大なヤシガニで、魔物の国・ラロタイ出身。ラロタイ深部の巨大な貝殻の中で生活しており、「ギョロ目で悪食なあいつ(beady-eyed bottom feeder)」として知られているが、その評判を本人は嫌っている。タマトアは自分の地位を高めるために自分の甲羅を金や珍しい芸術品や宝物で覆い、この過補償(※訳注5)があらゆる光り輝くものへの熱狂的な愛情となっている。タマトアは熱心な蒐集家であり貯め込み屋であり、物にしか価値がないという強い思い込み(※訳注6)は、時が経つにつれて彼を狂わせていった。

※訳注5※ overcompensation=過補償。心理学用語で、コンプレックスをカバーしようとするあまりの行き過ぎた行動や衝動…とのこと。参考: https://kotobank.jp/word/%E8%A3%9C%E5%84%9F%28%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%29-1592337

※訳注6※ materialistic obsession=唯物論的強迫観念、とでも言えばいいのか…意訳しています。

 

しかしタマトアは、光り輝く甲羅だけでは満足していない。彼は何世紀にもわたって、島の女神テ・フィティの心を奪い、支配しようと企んできた。そうすればタマトアは究極の創造の力を手に入れ、最高にして卓越した存在に昇格できるのだ。

またタマトアは、半神として称えられるマウイの長年の宿敵でもある。ふたりはお互いをよく知っているようで、タマトアはマウイの悲劇的な生い立ちについても知っているらしい。マウイはある戦いの中でタマトアの脚を一本切り落としたといい、マウイによればそのことが、巨大なカニがマウイを憎む一因になっているようだ。マウイはタマトアを倒したことでタトゥーを授かっている。タマトアは(その身体能力にもかかわらず)魔法の釣り針を持ったマウイを恐れるが、マウイが釣り針を使いこなせないことを知るとそれほど恐れなくなる。



公式解説

タマトアは自己陶酔的な性格をした50フィート(※15.24メートル)のカニで、魔物の国であるラロタイに住んでいます。このうぬぼれ屋の甲殻類は、「海底の掃除屋(bottom feeder)」以上の存在になりたいと考えており、その欠点を補うために、光り輝くあらゆるものを身にまとっています。

※出典※ https://screencrush.com/new-moana-photos-character-details/

 

 

性格

タマトアは気まぐれで、ともするとヤバイやつである(※訳注7)。彼の気分はちょっとしたことで、生意気でコミカルなものから、殺人的で威嚇的なものへと、一瞬で変化する。大きさも態度もかなりのモンスター級である。一番よく知られている特徴は、自分の周りにいるものならなんでも、人間や海の生き物や神々までも食べてしまうというサディスティックな癖であり――彼は自分の祖母を食べたことさえ認めている。

※訳注7※ possibly insane=直訳すると「おそらく気が狂っている」なんですが(過激!!)、ネイティブではinsaneを「(良い意味でも悪い意味でも)ヤバい」くらいの感覚で使う場合もあるそうなので、そちらに寄せて訳してみました。 参考: https://eigobu.jp/magazine/insane



タマトアにはひねくれたユーモアがある。ばあちゃんを食うのは1週間がかりだった、俺のばあちゃんは巨大だったからな、というドライで尖った言い回しにそれがよく表れている。また、敵を精神的にも肉体的にも痛めつけることに喜びを感じており、例えば、マウイを自分の隠れ家で嬉々として――けれども残酷に――痛めつけて心を折った。デリカシーに欠けており(※訳注8)、誰かの死んだ愛する人を馬鹿にしたり、自分を楽しませるため誰かの心の奥底にある不安を暴いたりすることに何のためらいもない。

※訳注8※ lack of boundaries=直訳では「境界線の欠如」なので、前後の文からすると「限度がない」「一線を越えている」「良識に欠けている」などの意か迷ったんですが、私が熟語を知らないだけかも…


何よりも、タマトアは非常に自己愛が強い。優越感に浸っている彼は、自分を美しいと思い、他人は誰彼構わず使い捨てのものだと考えている。モアナやタラ、マウイと違って、タマトアは内面の美しさや「自分の心に耳を傾ける」ということを信じていない。それどころか、身体的魅力(※訳注9)がなく外見的にも強くない者は、エサにはちょうどよくても、自分より些細で劣っている、と考えている。これが彼の最大の欠点であり、最終的には破滅の原因となる。彼がモアナの知性を(たかが人間だと)見くびったため、モアナは悪者の甲殻類に勝つことができたのだ。

※訳注9※ 原文ではphysically attractive、直訳で肉体的魅力……なんですが、これほぼ「性的魅力」「セックスアピール」に近い言い回しで、急に何!??? となってしまったので特筆しておきます。いやヤシガニ的価値観では「メスにアピールできないオスは劣っている」というのも当然なんですけど、要するに「セクシーじゃない奴は無価値」と考えてるタマトアってこと……!!?? こ、このカニ!!!????萌

 

とはいえ、タマトアのナルシシズムはある程度表面的なものである。本当は自分に自信が持てず、そのことを華やかな外見や貴重な財産で補っている。そのため彼は、テ・フィティの心のように、自分の力を高め、ひいては社会的地位を向上させるようなものを何でも歓迎する。権力欲に目が眩んだせいで、タマトアはマウイを滅ぼすチャンスを逃し、テ・フィティの心を追い求めてしまったのだ。

 


パワーと能力

巨大な力: 巨大な体躯と体重を持つタマトアは、半神の力を凌駕する驚異的な体力を持っている。釣り針の力を使いこなせずにいるマウイを、タマトアは存分に攻撃することができた。ヤシガニであるからにはそのハサミも非常に強力であると思われるが、その破壊力の大きさは明らかにされていない。

戦闘の達人: 巨大な体格にもかかわらず、タマトアはどんな大きさの相手とも巧みに戦うことができる。小さな人間サイズの相手でも、ピンポイントで攻撃できるほどの敏捷性と器用さを備えている。また、マウイに激しいコンボ攻撃を決めたり、相手を背中に乗せたり、マウイの小さな釣り針を爪で優雅に回転させたりと、そのコントロール能力は非常に高い。前述の強さと相まって、タマトアは非常に危険な存在であり、フルパワーであれば、マウイに劣るであろうほぼあらゆる相手を倒すことができる。

生物発光: 暗闇の中で、タマトアは生物発光という形で体を変化させる。これは実在の深海生物(一部の甲殻類を含む)に見られるもので、タマトアの体や甲羅にため込んだお宝はネオンのような光を放つ。また、タマトアの瞳孔、虹彩、強膜は、鮮やかなピンクやブルーなどの色に変化する。

カモフラージュ: タマトアは自分の甲羅にある金の宝庫を利用して、正体を現すまでは、無生物の宝の山であるかのように完璧に偽装することができる。タマトアは主にこの輝く甲羅を狩りの戦術として使い、周囲の海から無防備な魚を口に誘い込む。生物発光している時、タマトアはカウンターイルミネーションを行うことができる。つまり、彼は自分の体のネオン光を隠れ家の暗さに合わせて操り、自分の姿を完全にカモフラージュすることができる。この姿の時、タマトアの歯と目は、それぞれ笑っている時と開いている時にしか見ることができなくなる。

永遠の若さ: 追放前のマウイを知っているタマトアは、映画の中では1000歳を超えている。老衰のようすは見られず、素晴らしい体調であることが見てとれる。

第四の壁の認識: 彼の態度からして、タマトアは自分が架空の世界に住んでいることを認識しているようである。マウイを打ちのめしながら、観客に "decapod "の意味を調べるよう呼び掛けたり、自分を『リトル・マーメイド』のセバスチャンになぞらえて、観客に助けを求めたりしている。


登場作品

『モアナと伝説の海』

タマトアが最初に登場するのは、母なる島テ・フィティと命を与える心についてタラおばあちゃんが語る物語の中。タラによると、多くの者たちがその力を求めてテ・フィティの心を探しており、そのような古代の存在の中にタマトアもいる。しかし、実際にテ・フィティの心を盗むことができたのはマウイだけだった。マウイは荒涼とした島に追放され、怒れる溶岩の悪魔との争奪戦のなかで釣り針は海に消えてしまった。そうしてある時、釣り針はタマトアに発見され、彼はその釣り針を宝物の一つに加えた。タラによると、テ・カァと 「深海の悪魔たち」は、テ・フィティの心が消えた後も、まだそれを探し続けているという。タラのタパ布に描かれている生き物の中には、タマトアもいる。

数世紀後、追放されたマウイはモアナによって解放され、テ・フィティの心を本来の場所に戻してほしいと頼まれる。マウイは最終的に同意するが、任務を遂行するためには釣り針が必要だった。モアナとマウイはラロタイに向かって航海し、やがてタマトアのねぐらを見つける。モアナは、光り物で体を覆い、カニをおびき寄せるためのエサとして送り込まれる。タマトアはすぐに目を覚まし、新しい獲物となりそうなそれを調べるが、それが人間であることに気づいて嫌な顔をする。タマトアの注意をマウイから逸らしつづけるため、モアナはカニに自分の偉大さを語ってほしいと仕向け、カニは喜んで『Shiny』という歌を歌う。タマトアは、昔は自分に満足できない「退屈な小さなカニ」だったが、その不幸感は輝くもので自分を覆い始めるようになって消えた、と説明する。さらに、自分の甲羅は実用的にも使われていると説明する。煌めく光を放つことで一度に数十匹の魚が集まり、その魚たちがタマトアの食事となるのだ。飢えたタマトアはモアナを食べようとするが、そのとき怯えて動きを止める。マウイが釣り針を持って現れたからだ。しかし、マウイは釣り針の腕がなまっており、変身することができなかった。

 

仇敵を排除するチャンスだと考えたタマトアは、サディスティックに行動し始め、彼の棲み家でマウイを攻撃し、罵倒する。モアナが助けに入ろうとすると、タマトアは捨てられた骨で作った檻の中に彼女を閉じ込める。タマトアはねぐらを暗くして生物発光し、光りながら威嚇するような姿になる。彼はマウイを食べようとするが、モアナは檻を抜け出し、発光する藻で覆われたフジツボを使って、テ・フィティの心の偽物を作る。モアナがタマトアに呼びかけ、光り輝く宝物を見せると、カニはすぐにマウイを捨て、彼のあこがれのお宝を欲しがる。彼はモアナを追いかけ、モアナはテ・フィティの心を海底の割れ目に落としてしまう。それをタマトアが掘り返して捜している間に、モアナは釣り針を奪い、マウイを連れて逃げ出してしまう。間もなくタマトアは騙されたことに気付き、怒った甲殻類はふたりを追いかける。ふたりは海面に向かう間欠泉に身を投じ、噴出した水の衝撃でタマトアは甲羅ごと裏返しになってしまう。動けないまま海底に取り残されたタマトアは、せめてモアナが自分の歌を楽しんでくれたかどうかを尋ねるのだった。

タマトアが最後に姿を見せるのはエンドロールの後で、彼はまだ身動きがとれず、懸命に悪あがきをしている。哀愁漂う短いバージョンの『Shiny』を歌ってから、観客に助けを求めて、もし自分の名前が「セバスチャン」で「クールなジャマイカ訛り」だったらお前たちは喜んで助けてくれるんだろう、と嫌味を言う。

 


その他の出演作品

・タマトアは『As Told by Emoji retelling of Moana』に少しだけ登場する。

※訳注※ 公式映像ありました。マジで一瞬ですがめっかわ https://youtu.be/s8lkmmsb93U

 

 ・『シュガー・ラッシュ:オンライン』では、モアナのカジュアルなシャツにタマトアのデフォルメされたイラストが描かれている。

※訳注※ タンクトップの公式グッズ画像ありました。かわ! https://dtimes.jp/secret-honey-disney-collection-ralph-breaks-the-internet-ver/

 



ゲーム

ディズニー・インフィニティ 3.0エディション』

ディズニー・インフィニティ』シリーズの第3弾では、発売中止となった『モアナと伝説の海』のプレイセットにボスとしてタマトアが登場する予定だった。このプレイセットの開発は映画の初期構想に基づいていたため、ゲーム内のタマトアも初期デザイン(より洗練された、よりグロテスクではないもの)に似せられている。

※訳注※ 公式映像ありました。より洗練され、よりグロテスクでないデザイン…?? テクスチャがツルッとしてる、みたいなことかな…? https://youtu.be/_c-9Y5rAnbc



ディズニーパーク

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート

ディズニー・ハリウッドスタジオでは『ワンダフル・ワールド・オブ・アニメーション』のメイン悪役として登場し、ヴィランズパートのテーマ曲として『Shiny』が採用されている。タマトアが登場すると、中華風のシアターはタマトアの貝殻の隠れ家のような内装に変わる。カカモラやテ・カァの登場に続き、タマトアが生物発光すると、ハデスやイズマなど、さまざまなディズニーアニメのヴィランズが登場するようになる。そしてシークエンスの最後、タマトアはおそるおそる観客に 「俺の歌どうだった?(Did you like the song?)」と問いかける。

※訳注※ 映像ありました。この動画の6:45〜 https://youtu.be/egyCAhEPFz8




トリビア

・初期のコンセプトでは、タマトアはカニではなく、海洋神話に登場する首なしの巨大な戦士として構想されていた。

※訳注※ 出典はこちら。ちなみに首無し戦士verのデザインは残念ながら未掲載のようです 『The Art of Moana』 

https://www.amazon.co.jp/dp/1452155364/ref=cm_sw_r_tw_dp_DNW02J5ENRK28MRE6DBB

 

・"Tama Toa "はハワイ語で「亡くなった親」、マオリ語で「男の子供」を意味し、"Tamatoa "はマオリ語で「トロフィー」を意味する。


※訳注※ ちなみにですが、17世紀頃のタヒチ、ライアテア島の首長の名前もタマトア○世(Tamatoa)らしい。ライアテア島はポリネシア人発祥の地ともいわれるそうなので、人名としてもそこそこ有名なのかも?

※訳注※ それにしても、親に捨てられたことがトラウマになっているマウイに対し、「亡き親」という名前のタマトアが配置されている……という事実があまりにエモすぎて卒倒したんですけど、皆さまはいかがでしょうか……!

 

・タマトアを担当したアニメーターの中には、これを自分のキャリアの中で最も楽しかった仕事のひとつだと考えている人もいる。

 

・本物のヤシガニは銀食器などの光り物を盗むことで知られており、「強盗ガニ(robber crabs)」や「ヤシ泥棒(palm thieves)」と呼ばれることもある。つまりタマトアの強欲さは、彼の動物としての本質の一部である。

 

・タマトアは第四の壁を3回破っている。1回目は『Shiny』の中で、輝きすぎて隠れることができないと言う場面。2回目はdecapod(十脚類)とは何かを調べるように観客に言った時。そして最後のエンドロール後のシーンで観客に助けを求めた時。

――エンドロール後のシーンでタマトアが捨て台詞を言うとき、彼は『リトル・マーメイド』のセバスチャンを直接引き合いに出して言及している。これは、『リトル・マーメイド』と『モアナ』が同じ監督、ジョン・マスカーとロン・クレメンツによって作られたことも暗示している。

 

・デモ版の『Shiny』では、タマトアがマウイの力を吸収できることが強く示唆されている。しかし、この能力が最終的に映画に反映されたかどうかは不明である。

※訳注※ 北米版サントラに『Shiny』デモ版が収録されており、完成版とは歌詞が異なっています。

公式音源 https://youtu.be/DnOUgFjs9sg

歌詞 https://genius.com/Walt-disney-records-shiny-demo-lyrics

デモ歌詞を和訳されている有識者(神)がいらしたのでリンク https://twitter.com/100_b_922/status/853602326803750914?s=21


・映画のノベライズでは、タマトアは自分の祖父母をどちらも食べたと言っている。映画では祖母だけに言及している。


・モアナにとっての旅は、自分のアイデンティティ、自己価値を発見し、自分の内面を受け入れること。物語の悪役であるタマトアは、外見的に魅力的でなければ価値がないと考えており、モアナに対するアンチテーゼの役割を果たしている。

――他のキャラクターが平和と愛を見つける一方で、映画のメッセージを拒絶する唯一のキャラクターであるタマトアは、最後のシーンで孤独、空虚、喪失感を感じている。また、エンドロール後のシーンでは、光り輝く甲羅がいかに役に立たないものであるかを省みる。

※訳注※ 出典記事の該当箇所をざっと訳してみました↓

ジェマイン・クレメントが起用された『Shiny』は、マーク・マンシーナとリン=マニュエル・ミランダが書いた曲で、信念に問題のある50フィートのカニ・タマトアにスポットを当てている。ミランダはこのように語る。「タマトアは意地悪で派手で、つまり私たちはこの映画の反教訓を作りたかったのです。モアナの旅が自分の内なる声に耳を傾けることだとしたら、タマトアは『そんなことはどうでもいい。誰が気にするんだ? 周りにどう見えるかが問題なんだ』と言っています。彼は海の一番深くて暗いところから来ていて、自分の鎧が重要だと感じているんです。キラキラしていこうぜって」

https://www.prnewswire.com/news-releases/disneys-moana-original-motion-picture-soundtrack-available-today-300365700.html

 

・現実のヤシガニは時おり共食いをすることがあるため、タマトアが祖母を食べたという話は、決して突飛なものではない。 実際、ヤシガニにとって人間以外の捕食者(天敵)は他のヤシガニのみである。

 

・タマトアの声の高さが大幅に下がり、より深みのある怪物のような口調になっている場合がある。顕著なのは、"Little Maui's having trouble with his look.(マウイちゃんは変身できなくてお困りのようだな)", "The power of creation, for a crustacean!(命を創造する力、甲殻類のための!)" そして "Come back here!(戻りやがれ!)"というセリフ。

※訳注※ この段落、訳し間違いでなければ、「声が低くなっているセリフがある」ということを列挙しているだけで、理由とかは特に書かれていない謎の段落ということになるんですけども、これはいったい…? 萌えポイントを挙げずにはいられなかった人によるしわざかな??

 

・タマトアは、ラロタイで実物が登場する前に、映画の中でいくつかのカメオ出演をしている。
  ・プロローグの、伝説を語るアニメーションのなか。
  ・タラおばあちゃんが初めて登場するときのタパ布のアートワークとして。
  ・『俺のおかげさ(You're Welcome)』では、スポットライトを浴びたタトゥーとして。
  ――これらの登場シーンでは、(折れた足も含めて)すべての足が無傷である。

 

・タマトアの敗北は、ノベライズ版『The Story of Moana』では異なる形で描かれている。甲羅ごと叩きつけられた後、ラロタイの生物がタマトアに群がり、彼が抗議するのも聞かず輝く宝物を盗み出していく。結局それを止めることができずに、タマトアの甲羅は丸裸になってしまう。

※出典※ 『L'histoire de Tamatoa』 https://www.amazon.co.jp/dp/201703522X/ref=cm_sw_r_tw_dp_112078P4X73KXW4FJT0G

※訳されている有識者(神)がいらしたのでリンク: https://misoloz.hatenablog.com/entry/2020/08/01/184956

 

・収録時、ジェマイン・クレメントによる即興芝居には、タマトアが祖母を食べたことに罪悪感を抱き、悲しげに謝るシーンがあった。また、ほかの即興(本編未採用)でのタマトアは「俺は本当はばあちゃんを食べたりしてない、怖く見せるために食ったと言っただけ」とも主張した。

※訳注※ ちなみに『モアナ』はプレスコ方式(台詞や歌を先行して収録し、それに合わせてアニメーションを作成する手法)がとられています。収録の際は、台本のほかにも即興でセリフを色々言ってもらい、それらの音声素材を取捨選択して作り上げていく…ということで、本編にない没セリフが多々存在するというわけです。参考(メイキング公式映像)(タマトアの収録してるところも見られるよ!): https://youtu.be/rB5MpMDMpas

※訳注※ 出典となる2本の記事(声優・ジェマイン・クレメント氏へのインタビュー)、それぞれ該当箇所をざっと訳してみました。長いので本文の後にまとめます。

 

・『モアナ』の脚本家であるジャレッド・ブッシュ氏はインタビューの中で、マウイとタマトアはライバル関係だが彼らには共通点がある、ということを指摘している。ふたりとも、自分が大切な存在だと感じたいと思っており、ふたりとも偉大さを感じさせるもので不安をカバーする方法を持っている。=マウイはタトゥーで、タマトアは光り輝く宝物をたくさん蓄えることで。

※訳注※ 出典(Film Review Online記事)リンク切れ…。

 

・タマトアの瞳孔の大きさの違いや、生物発光している時の目の色の違いは、映画公開の10カ月前に亡くなったデヴィッド・ボウイへの直接的なオマージュである。

 

・2002年にリリースされたTe Vaka(テ・カァ)の曲に『Tamatoa』というタイトルの曲がある。

※出典※ 音源ありました https://youtu.be/WXPP2sgLMKQ

 

・タマトアは、『ディズニー・インフィニティ 3.0 Edition』の『モアナ』プレイセットに敵キャラとして登場する予定だった。しかし、ゲームの開発中止に伴い、他のセットとともにボツとなった。


・タマトアの宝物のなかに『アラジン』の魔法のランプがある。

 

以上

 

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<参考> ジェマイン・クレメント氏インタビュー(一部)

 

クレメントは、2回のスタジオセッションの中で彼の甲殻類のキャラクターを構築していったが、その中には多くの即興も含まれている。「(映画の中で)僕がおばあちゃんを食べたという話が出てくるんですが、僕は『怖く見せるために言ってみただけだよ!』と何度も言ってみたんです。『本当はそんなこと、ばあちゃんにしてないからな!』って。だって完全な邪悪ではないからね、タマトアは」。さらにクレメントは、彼のキャラクターの愉快なエンドクレジットのカメオ(ディズニーの有名なカニに言及するあれ)は脚本家たちが書いたものですよ、と付け加えた。

https://www.theaureview.com/watch/jemaine-clement-talks-playing-a-giant-crab-in-moana-channelling-david-bowie-and-maori-myths-exclusive/

 

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「彼は巨大なカニで、身の丈50フィートもある。悪人と言えるかはわからないけど、何かまともじゃない。彼はとてもうぬぼれが強く、ある意味カササギのようで、光り物を集めている。彼は巨大で邪悪なカニだけど、自分を可愛く見せたいんです(※訳注10)。このキャラクターに共感したというメッセージをたくさんいただいて驚いています。可愛くなりたくて、本当はただのカニなんだってことは隠してしまいたい、そんな気持ちが似ているみたいです。」

 

※訳注10※ 原文では「he wants to look pretty」とのこと。「綺麗」「すてき」等と訳そうか迷いましたが、プリティーになりたいタマトア…!!? という衝撃そのままに「可愛い」としてみました。

 

ディズニー映画ということで、もちろん素晴らしいオリジナル楽曲の数々が使われており、オペタイア・フォアアイとリン=マニュエル・ミランダが作曲し、編曲はマーク・マンシーナが担当している。映画において、タマトアは『Shiny』という持ち歌の中で自分自身についてを叙情的に語る。ミランダは大ヒットしたブロードウェイミュージカル『ハミルトン』で知られているが、この曲をクレメントが歌うことを念頭に置いて作ったとのこと。

(中略)

しかし、クレメントを驚かせたのは、ミランダと製作陣が思い描いていたタマトアのイメージだった。それは、クレメントが当初考えていたタマトアのイメージとは大きく異なるものだった。

「僕が事前にイメージしていたのは、とてもタフでアグレッシブな戦士のようなキャラクターです。タマトアという名前は戦士を意味しますから、彼の甲羅は鎧で、金属製のアーマーのような甲羅だって想像していました」(※訳注11)

「そしていざ現場に行ってみると、僕が考えていたのとは正反対の、キラキラしていることについて歌うグラムロックの曲を聞かされました。スタジオに入ってさぁ歌ってと言われるまで、自分で曲を聞いてはいたけれど全然違う歌い方をしていたんです。まだ(映画を)見ていないので最終的にどうなるかはわかりませんが、このような異なる要素が、どうひとつになって作用するのか興味があります」

※訳注11※ 調べてみたら90年代のテレビアニメに『Tamatoa the Brave Warrior(勇敢な戦士タマトア)』というのがあったりしました。また、モアナの主要声優陣は皆ポリネシアにルーツがあるのですが、注で前述した「ライアテア島の首長の名前もタマトア○世」といった情報も合わせて考えると、彼らにとっては「タマトア=戦士の名前」という共通認識があるのかも? と思いました。違ったらごめん!


キャラクターイメージはさておき、曲自体はデヴィッド・ボウイへのオマージュとして作られている。クレメントは、カルト的な人気を誇るテレビシリーズ『Flight Of The Conchords』のシン・ホワイト・デューク役を通してグラムロックを演じたことがある。ミランダはおそらくそこからこのアイデアを思いついたのだろう。

「彼(ミランダ)のデモはサウンドトラックで聴くことができますが、そのデモは僕が録音する前に送られてきたものでした。彼が僕のボウイっぽい歌い方を再現していることはわかりましたが、彼がそれを僕の素の歌い方だと思っているかどうかはわかりませんでした。彼が僕らの歌を1曲しか知らずに、僕がいつもそうやって歌っている、と思っているのかもわからなかった。だから、キャラクターの声で録音しようとしたら、彼はボウイを強く推してきて、もっとボウイにしてくれ、T-REXのボウイのようなグラマラスな感じにしてくれと言われたんです」

デヴィッド・ボウイのファンとしては、そのことを考えると少し悲しい気持ちになりました。僕はこれまでも何度かボウイの物真似を求められたことがありますが、そんなに上手じゃないんです。でも、ミランダのやっていることが僕たちの望むものを表現するサウンドになると、とにかく彼を信頼しました」

(中略)

ボウイになりきる傍らで、クレメントはキャラクターの声優をしながら、ちょっとした即興芝居を試した。コメディアンであるクレメントは、もちろん多くの即興をこなしたが、その中でも特に記憶に残っているものを聞いてみた。

「そうですね、まず台本があって、その台本に沿って演技をします。そして「どんな意見でもきかせてくれ」と言われて何回もテイクを重ね、その後に即興を行います。大抵セリフやジョークの別の選択肢が用意されているので、それをやったり、バリエーションをつけたりして、とにかくたくさんの即興芝居を行うんです。何が採用されるかは後日になってみないとわからないし、誰が何を思いついたのか覚えておくのが難しいくらいです」

「映画には出てこないけど、タマトアがおばあちゃんを食べたことを話すくだりで、僕がおばあちゃんを食べたことを感情的に謝罪したのを覚えてます。ちょっと贅沢に尺を使いすぎたかもしれないけれど、あれはほんとに面白かった。スタジオで涙が出たのを覚えてます。即興のパートをぜんぶ採用したらそれこそ10時間とかある映画になってしまう。とはいえ、タマトアが自己実現する姿を見られたら素敵ですね」

https://www.yahoo.com/entertainment/moana-costar-jemaine-clement-on-his-crab-tastic-david-bowie-impression-155622795.html

 

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以上です。

出典や派生情報はどの程度訳そうか悩んだのですが、ジェマイン・クレメント氏のインタビュー、訳してみてよかったです(口語が多いのでちょっと不安ですが)。ユーモアにあふれた温かいコメントや即興セリフ、最高にほっこりします。没セリフ、全部聞きたすぎるよ…何時間あってもいいから…

 

なお繰り返しとなりますが、上記は素人による趣味の翻訳です。明らかな誤りにお気づきでしたら、ぜひご指摘、情報などお寄せいただけたら幸いです。


最後に、参考・引用させていただいた全ての記事とその作者様に心より謝辞を申し上げます。もしリンクに差し支えありましたら削除対応しますのでご連絡ください。

 

…ところで英語版Wikiの記事内では、「タマトアがお宝を身にまとうようになったのはマウイのタトゥーを真似してのこと」という件についてマジで一切触れられてないんですけどどういうことですかね!?? そこは特筆しようよ!! 誰か~~!!